切れ痔
排便時に肛門が切れて痛みを感じるのが切れ痔です。
出血でトイレが真っ赤になることもあります。
「出血」=「血便」と思い心配される方が多いですが
血便とは血の混ざった黒い便のことです。
鮮血(赤い血)の場合は肛門が切れた、いわゆる切りキズが原因の出血です。
切れ痔になったら出血することが多く
ティッシュに少し付着する程度からトイレの水溜りが真っ赤に染まる場合もあります。
痛みの程度もそれぞれで
排便時に痛いだけの程度から排便後しばらくお尻がジンジン痛むこともあります。
肛門が切れる原因は2つあります。
- 肛門に対して大きすぎる硬い便を無理に出そうとして肛門が裂ける。
- 水様便が勢いよく排出されることで肛門の皮膚がただれて切れる。
つまり便秘でも下痢でも切れ痔になってしまうのです。
切れ痔になってしまったら悪化させずに早く治すことが大切です。
初期なら浅い切りキズで済みますが、長年肛門が切れるのを放置しておくと切キズ傷が硬く収縮してしまうので
肛門がより狭くなり、切れやすくなってしまいます。
また、慢性化した切れ痔はイボ痔に進行することが多いので要注意です。
切れ痔になってしまったら
キズが軽度のうちに切れ痔を治すと同時に
また切れ痔にならないように痔の予防を心がけましょう。
【オウチでできる切れ痔の治療】
排便後はウォシュレットできれいに洗浄する。
(ウォシュレットがない場合は赤ちゃん用のおしりふきがオススメです。「トイレに流せるタイプ」をトイレに常備しておくといいでしょう。)
きれいに洗浄した後は家庭用消毒薬(マキロンなど)で消毒する。
塗り薬を塗る。
痔専用の薬がない場合は以下のもので代用してみてください。
オロナイン・馬油・オリーブオイル・アロエの汁
非ステロイド「マグゾナール」(赤ちゃんのオムツかぶれや湿疹に使う軟膏。薬店で入手できます。)
ラベンダー精油のクリーム(こちらのお店で購入できます。)
内側まで切れている場合は
アロエを適当な大きさに切ってお尻に挿入する
どくだみの葉を揉んでお尻に挿入する
といったことが効果があるそうです。
排便時の痛みが激しいときは
痛みを軽減するために肛門にワセリンを塗ってすべりをよくするのもよいでしょう。
【切れ痔になったときに注意すること】
辛い食べ物・アルコールは控える。
湯船にゆっくりとつかる。
(入浴剤を使うのも効果的)
自転車に乗らない。
(どうしても乗らないといけないときはサドルにクッションをつける)
座りっぱなしにならない。
(座るときはドーナツ座布団を使用)
トイレに座る時間は3分を目安に。
体を冷やさない。
便秘や下痢にならないように気をつける。
切れ痔はオウチでのケアで治すことができます。
ケアと予防で誰にも知られずにこっそりと痔を治してしまいましょう。
『自宅でできる痔の治療』のページも参考にされてください。
もしオウチでのケアで改善されない場合は恥ずかしがらずに専門医で受診しましょう。